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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
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    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
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    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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夕方の雨(5)
2008 / 12 / 06 ( Sat )
 へミョンは、目の前でお茶を飲む弟の横顔をそっと見た。
 お互い公務に忙しい身ではあるが、それでも家族のコミュニケーションは大事だと考える彼女は、時々弟と2人でお茶を飲むことにしている。
 わが弟ながらイケメン?
 
 ぼんやりと庭の方を見ているシンに、へミョンは思った。
 時折冷酷そうにも見えた彼の顔も、結婚してからというものどんどん人間らしく、いや人間臭く変わっていった。以前なら、一体なにを考えてるのか分からないと思ったであろうこんな時にも、きっと妃宮のことを考えてるんだなと今は、想像がついた。手に持った茶碗からあがる白い湯気が、さっきからシンの顎のあたりでふわふわと泳いでいる。心ここにあらずの皇太弟殿下を、へミョンは優しい瞳で見つめた。

 「シン?そろそろ戻っておいでー」
 姉の声に、まるで眠りから醒めたような顔をする。
 「すぐ魂がどっか行っちゃうんだから。で、妃宮は元気だった?」
 シンは姉の問いかけに首を傾げた。
 「あれ?殿下の魂はマカオにお出かけしてたんじゃないの?」
 大真面目な顔で言われて、シンは笑った。へミョンも笑う。しかしシンはすぐに真剣な目で言った。

 「先日、宮にカメラが入って特番用の撮影をしましたよね」
 へミョンはお茶菓子を1つ口に入れながら、頷いた。
 「あの放送はいつ?」
 「…えっと、父上と母上のご成婚25周年記念放送だから、来月に入ってすぐだけど…どうして?」
 「父上と母上は生放送で、国民と対話なさるんですよね」
 「ええ、以前のあなたと妃宮がしたように、スタジオで放送に参加される予定だけど」
 「僕も出演してはいけませんか」
 驚いたへミョンの喉がお茶を急いで飲み下して、ゴクンと鳴った。
 「それは…テレビ局は喜ぶと思うけど。視聴率が上がるもの」
 シンの考えていることはすぐに分かった。
 「妃宮のことを放送を通して、国民に?」
 「姉さん、いえ陛下。元老院の許可を待つだけではいけないと思うんです。しかし彼らの決定は僕の訴えでは翻りません。だから」
 「だから、元老院より、世論ってことね」
 「そうです。世論が大きく動けば国会の議題に上がります。国会は、元老院でも無視はできないはず」
 「そうしたら、チェギョンをすぐにも宮に呼び戻せると?」

 理屈ではその通りだとへミョンは思う。同時にそう上手くはいかないかも、とも思う。
 確かにシンは人気がある。特に若い女性の支持は絶大だ。しかしそれだけで世論は動かない。

 「陛下、番組出演をお許しいただけないでしょうか」
 いつになく丁寧すぎるほど丁寧に言う弟の瞳は切実な光を帯びていて、姉としてはすぐにでも「いいよ」と言ってあげたい気持ちになった。
 「…あなたの気持ちは分かった。ただ私1人では決められない。父上と母上に相談してみる。だからちょっと保留。それでいい?」
 シンはわずかに肩を落としながらも、まっすぐへミョンを見、「はい」と言った。

 この時点でへミョンは、シンのテレビ出演は難しいと思っていた。それは何よりも公正さを重んじる父が反対すると考えたからだったが…意外にも父の返事は、「シンに任せてみよう」とのことだった。母宮は、少し心配そうに眉をひそめはしたものの、やはり息子の苦しみをこのまま見ているのは忍びないという気持ちが勝ったようで、最終的には賛成をした。

 こうして皇太弟シンが久しぶりにテレビに出演することが決まった。
 それを伝えるとシンは希望に目を輝かせたが、へミョンはそれを見ながらもまだ弟が心配だった。
 愛は尊いものだ。しかし、愛とはあくまでその人だけのもので、ともすれば利己的な思い込みに見られてしまう。一部の人がシンの呼びかけに共感したとしても、それが大きな波となって国会、元老院までもを動かすことができるだろうか。

 首相と会おうか、とへミョンは考える。シンのテレビ出演よりも先に、少しプレッシャーをかけておいた方が効果的かもしれない。

 皇太子の頃のシンが我慢してきたたくさんのことを思うと、へミョンは何でもしてあげたくなる。それは自分が女だからと、ある程度の自由を許されたきたことへの後ろめたさでもあった。
 皇族である限り、それゆえの苦労はこれからもあるに違いない。けれどそんな時もシンのそばにチェギョンがいてくれれば、大事は起こらない気がするから不思議だった。
 それに、孤独だった弟を照らしてくれた彼女の太陽のような明るさは、皇室の未来そのもののような気さえした。












テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:夕方の雨

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