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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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ライオンの涙(4)
2010 / 01 / 18 ( Mon )
「この花、子供たちが作ったの?」
 窓の鍵をひとつひとつ点検していくカウルの後ろでイジョンが言った。
 段ボール箱いっぱいの、薄紙で作った花飾りから水色の一つを、腰をかがめて取り上げた。
「はい。みんなで発表会の飾り付け用に作ったんです」
 ふわふわと手のひらの上で花を躍らせて、笑う横顔。
 背の高い彼がこの教室にいるとなんだか不思議だ。見慣れたサイズの園児用の椅子や低いテーブルがもっと小さく見える。
「明日リハーサルがあって、そのあと私達で飾り付けするんです」
 イジョンはふうんと頷くと、手首を返し花飾りを落とした。その手ひらに未練があるかのようにゆっくりと、空気をはらみながら花は落下する。
「先輩」
「ん?」
 答える声はむしろ、いつもよりも優しい。
「…なにかありましたか?」
「いや、どうして?」
 だって迷子の目をしてる。そうは言えなかった。
「さっき電話で話した時も、なんか元気なかったし…いつもはあんなこと言わないのに」
「あんなこと?」
 イジョンは少し考えてから思い当たったようだ。
「俺が、カウルちゃんに会いたいって言ったこと?」
「…びっくりしました」
「『びっくり』?」
 イジョンは息をもらして笑った。
「ドキドキするとか、ときめいたとかじゃなくて?」
「え?…えーと、それはそうですけど、今はそういう話じゃなくて…」
 彼がゆっくりと瞬きをする今の方が何倍もドキドキする。カウルは彼に背を向け、窓の鍵に腕を伸ばしかけた。
「そこさっき鍵かけてたよ」
 そうでしたっけ、と慌てて隣の窓に手を伸ばす。かちりと下ろした鍵が指先に冷たかった。
「…そういう話じゃなくて?じゃあなんの話しようか、さっきの彼の話でもする?」
 その言葉に顔を上げると、鏡になったガラスのなかに彼が映り込んでいてカウルはそれを見つめた。
「あの時俺が来なかったら、なんて答えた?」
「…断ったに決まってるじゃないですか」
 話をすり替えられてしまったと感じながらカウルは言った。
「つきあってる人がいるからって?」
「そうです」
 もどかしさが苛立たしさに変わる。自分で、自分の声の硬さに驚いた。外気に冷やされたガラスが小さな水滴を溜めはじめていて、イジョンの姿に紗をかけていた。スチールの枠に入った1枚の絵だ。
「好きな人がいますって、ちゃんと」
 言うつもりでしたと続けるはずが、ぐ、と喉がつまった。どうしてなのか分からない。でも悲しいからではなかった。どちらかというと腹立ち。

 「カウルちゃん?」
 イジョンの声が遠く聞こえる。一言でも口をきいたら泣いてしまいそうだと思ううちにもう、目の前がぼやけてきて、カウルはとっさに上を向いた。手の届かない絵だなどと思わせないでほしかった。たったの一瞬でさえそんなこと思いたくなかったのに。
 重力から逃がしたかった涙は、たどる道を変えて結局頬を伝う。カウルはあきらめて、涙を手の甲で拭った。

 「カウルちゃん」
 目を赤くした自分のすぐ後ろに彼が立っていた。やはり迷子のような目をして。本当に泣いたカウルよりも、もうすでに泣きつかれたような顔色で。
 スーツの片腕が自分の首に回されるのをガラスのなかに見る。自分が絵に取り込まれたような不思議な感じ。耳の少し下の冷たい感触がシャツのカフスだと気がついたときに、反対側の耳元でイジョンが言った。

 「ごめん」
 今まで聞いたことのない声は、まるで夜がしゃべっているみたいだと思った。
 それからもう一方の腕に今度はきつく肩を抱かれる。高鳴るはずの心臓が妙に静かだったのは次の言葉を予感していたからだろうか。イジョンはすぐに腕から力を抜いてカウルを解放し、言った。

 「俺たち、しばらく会わないでいよう」
 彼の手のひらから落とされた花を思い出した。















?????????????????
甘いかと思いきや…で、すいません。
ただひたすら甘いのは書けないマカなのです。もう少し続きます。


テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:ライオンの涙

00 : 40 : 16 | トラックバック(1) | コメント(5) | page top↑
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コメント
--妙に納得・・・--

マカさん続き待ってましたv-410

あのまま簡単に行かない方がイジョンの人生の過程を

考えると、このお話の流れがとても納得がいく展開だと

思いましたv-390

読み終わった側からどうなるのかを想像しながら

続き待ってまーすv-411
by: タマラン * mQop/nM. * URL * 2010/01/18 * 01:13 [ 編集] | top↑
--管理人のみ閲覧できます--

このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * * * 2010/01/26 * 21:23 [ 編集] | top↑
--管理人のみ閲覧できます--

このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * * * 2010/01/31 * 21:53 [ 編集] | top↑
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『まだ結婚したい女』を見終わって、
キム・ボム君はもう少し凛々しくて
可愛らしい人だったのに・・・
と、何となく味気無さを感じたもので・・・
ここへ来てみました。

ソウルCPは今の気持ちにスルッと
入り込んで和ませてくれます。

マカさんの小説は文章なのに
映像が自然に映し出されるし
台詞が吹き替えじゃ無く本人の声で
聞こえてくる感じ。
当然架空のお話なのにココまでリアルで
ココまで切なくて。

そうだよなぁ~ボム君はこんなに素敵なんだよぉ
と、しんみり浸ってます。
(完全にアギョルヨを引きずってしまってる・・・e-416)

マカさんの小説、大好きです。
心待ちにしてます。
マカさんの都合の良い時に続きを
読ませてくださいませんか?
宜しくお願いします^^

by: manimani * - * URL * 2010/03/12 * 15:51 [ 編集] | top↑
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ライオンの涙大好きです。少し離れるってどのくらいでしょうずっと待ってますのでその後のお話お願いします
by: でるでる * - * URL * 2010/07/10 * 12:31 [ 編集] | top↑
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