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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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ライオンの涙(3)
2010 / 01 / 10 ( Sun )
「先生、まだ帰らないの?」
 同僚がバッグを肩にかけながらこちらを見た。
「もう少しだけやってきます」
 カウルは時計を見ながら返事をする。7時45分。電話があったのが25分ごろだったから、そろそろ彼が来るころだ。

「そう。じゃあ、最後の戸締り点検お願いするわ」
 3つ年配の彼女が「おつかれさま」と帰ってから、カウルは再びデスクの上の原稿にとりかかった。
 お遊戯発表会のプリントにライオンのイラストを描いて消して描いて消して。なかなか思うように描けずに伸びをしたとき、ふと思い出した。
 あのライオン。
 カウルは思い出し笑いした。あのときのイジョンの不満そうな顔はおかしかった。デスクの足元からスケッチブックを取り出してめくる。今にも牙をむきそうな野生の猛々しさが、本当によく描けている。
 …先輩にできないことってあるのかな。
 なんでも器用にこなすイジョンの指先を思い浮かべたときだ。


「先生」
 急に声をかけられて、カウルは飛び上がるほど驚いた。
「ごめん。驚かせた?」
 そう言ったのは体操の先生のハ・ヨヌだった。
「ハ先生、どうしたんですか?」
 先生と言っても彼はこの園に勤めているわけではなく、毎週木曜だけ子供達にリズム体操を教えに来る、さしずめ体操のお兄さんというところだ。
「携帯電話を忘れて…もう閉まってるかと思ったけど、ダメ元で来てみてよかったです」
 彼はそう言い携帯電話を軽く掲げて見せてから、カウルの手元をのぞきこんだ。
「これ先生が描いたんですか?」
「え?あ、えと、友達が描いてくれたんです」
「へぇ、絵の才能があるんじゃないですか?そのお友達」
「あ、そう思います?」
 自分が褒められたように嬉しい。
「でも子供のお面にはむかないかもしれませんね」
 ヨヌの言葉に、そうですよねと同意してカウルは微笑んだ。
「先生バスでしたっけ?僕送りますよ」
 もう遅いですしと続けて彼がにこりと笑って、カウルは惜しい、と思う。さっき帰った先輩は彼のファンだからきっと即「お願いします」と言っただろうに。タイミングが悪い。
「ありがとうございます。でも大丈夫です。もう少し仕事残ってますし」
「どのくらい?待ってますよ。どうせ暇だから」
 また、にこり。これが噂のキラースマイルか、とカウルは思う。
「あの、でも本当に平気です。あ、私戸締りの確認を…」
 彼を早く帰そうと立ちあがったときだった。机の上にあったカラーペンのケースをひっくり返してしまった。派手な音で床に散らばったケースとペンを、素早く屈んだヨヌが拾いはじめた。
「すみません。ありがとうございます」
 カウルは自分のそそっかしさを呪いながら、隣の隣の机の下まで飛ばされた青いペンを拾う。
 全部をケースに戻してヨヌが言った。
「そういえば、明日のリハーサル僕も参加するんですけど…僕の分のお面あります?」
「あ、ありますよ。ちゃんと人数分描きましたから。明日渡しますね」
「これでもいいのに」と彼は、広げたままだったスケッチブックのライオンを指した。
「子供のお面には向かなくても、僕はこれ気に入ったんですけど」


「これは駄目です」
 迷わずに答えてスケッチブックを閉じる。彼は別に失礼なことは言っていない。けれど、カウルは少しだけ気分が悪かった。ヨヌはそれに気がついたのか、それ以上は言わなかったが、なぜか帰ろうとしない。
「戸締り確認でしたっけ。僕行って来ましょうか」
「あ、でもそういうわけには…」
 厚意を断るようで申し訳ない気持ちと、本当にもうそろそろ帰ってくれた方が気が楽なのに、という気持ちが混ざってカウルは力なく微笑んだ。
「本当に大丈夫ですから」
 すると彼はため息をついて見せた。
「…先生、鈍感だって言われます?」
「え?」
 急な質問の意味が分からない。
「本当に暇つぶしで僕がここにいると思いますか」
「…」
 彼が何を言いたいのか分かってきてカウルは黙る。
「それにいつも話すきっかけ探して先生の周りうろちょろしてたのに」
 全然気がつきませんでした?と微笑む彼にカウルは「まったく気がつきませんでした」という意味の硬い微笑みを返した。
「そういう鈍感なところもいいんですけど…気がついてくれるの待ってるだけってのはもどかしいので」
 ヨヌが照れくさそうに言うのも、どうも自分にむけての言葉だと実感できない。
「今度の休み、一緒にどっか行きませんか?」
 要するに今この人、私をデートに誘ってる?…好きだって言ってる?
 頭の半分ではすぐに断らなきゃと思うのに、あまりに思いがけなくて、もう半分が働かずぼんやりしてしまう。
「あの、私」
 カウルが言いかけた時、代わりに返事をする声があった。



「行きません」
 職員室の入口にイジョンが立っていた。両腕に抱えている箱にはライオンが入っているのだろう。
「イジョン先輩」
 カウルの声に笑みだけで答えてから、彼はヨヌを見た。そしてこちらに向かって歩きながら言う。
「その子はどこへも行きません」
 イジョンは抱えていた箱を机の上に置くと、カウルの隣に並んで立った。そしてヨヌに向けてにこりと笑う。突然の第三者の登場に困惑気味で、ヨヌは助けを求めるようにカウルの顔を見た。しかしカウルはイジョンの横顔を見上げていた。
「鈍感というよりも一途なので」
 余裕のある微笑み。ゆっくりとした瞬きと、落ちついた口ぶりが静かにヨヌを牽制していた。
「1つしか目に入らないんですよ、きっと」
 そうだろ?と同意を求めるようにこちらを見下ろす瞳は笑っていた。なのにカウルは胸が痛くなる。
 まっすぐな鼻筋やきれいな頬はいつもどおりなのに。手を伸ばして、大丈夫だよと言ってあげたくなるような、そんな。
 迷子のような目をしていたから。














???????????????

またオリジナルキャラを登場させてしまいました?
と、言いながらも今回登場のヨヌも、これからまだ出る予定のヨニも自由に書けるので好きですし、実はキャラを考える際に勝手にキャスティングを決めてたりします(笑)思い浮かべる顔があると格段に書きやすいのです。




テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:ライオンの涙

17 : 34 : 22 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
--はじめまして。。。--

初めて足跡をのこさせていただきます。ライオンの涙・あいかわらず。。。とても楽しみにしていて、ついつい毎日のぞきにきてしまいます。。。おまけに更新してあると必ず、初めか読み返してから新しいところを読んでます。本にして持っていたいぐらい!!!とっても楽しみにしていますので、これからもよろしくお願いします。。
by: あんぷ * - * URL * 2010/01/11 * 15:59 [ 編集] | top↑
----

初めまして・・・・

ソウルカップルが大好きでマカさんのお話を読むことができてホントに幸せです!!

カウルちゃんの一途な思いとカウルちゃんが大事なのに踏み出す事ができないイジョン先輩に毎回キュンキュンさせられてます。

更新大変だと思いますが、頑張ってくださいね。
楽しみにしています。
by: ナナミ * - * URL * 2010/01/12 * 03:24 [ 編集] | top↑
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