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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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ライオンの涙(2)
2009 / 12 / 28 ( Mon )
久しぶりのソウルCP更新です。
 結婚の意味が分からないと親友に言ったとき、普通に口にしたはずの言葉がやけに深刻に響いて自分で驚いた。ウビンは一瞬返事に困った表情をした。俺たちまだ若いしな、と彼にしては珍しく的外れなフォローをしたのは多分、優しさだろう。




 「イジョン聞いてるの?」
 機械的に動かしていたナイフの手を止めて、イジョンは母親を見た。
 彼女はとても小さな声で話す。まるであなたたちのせいで私はこんなに辛い、と訴えるようなか細い声。弱ってしまった心が透けて見える顔色が痛々しく、同時にうっとおしい。
 こうして母屋で食事をするのは、しかも両親と月に一度食事をするのは母が決めたことで普段はこの食卓に寄り付かない父もこの日だけは何も言わずにやって来る。
 そして今しているように、母の話に相槌をうちながら時が流れるを待つ。それが義務だと言わんばかりに。
「あちらのご両親も乗り気で、一度席を設けましょうかって…」
「見合いなんてしませんよ」
 イジョンは再び手元に視線を落として答えた。
「でも良いお話でしょう。あなたもヨニさんなら小さい頃から知り合いで気心が知れてるでしょ」
「相手が誰だろうと関係ありません。僕は」
「結婚なんてしないんだよな?俺の息子は」
 口をはさんだ父親を一瞥して、小さく息をついた。
 くだらない。どうして俺はここにいる。誰のために、なんのために。
「あなた、やめてください」
「どうしてだ?それも一つの選択だと思うがな」
 母の瞳の奥がぐらりと揺らぐのを見、イジョンは我慢ができなくなった。冷静に見えるよう、なるべくゆっくりナイフとフォークを置いてから、言う。
「…用事を思い出しました。先に失礼します」
 母はもう何も言わず、さっきの父の言葉にとらわれている。目が誰も映していない。父は「また来月な」と薄い笑みを浮かべてこちらを見、酒をあおった。





 カウル。
 車に乗り込んで携帯電話を取り出すと、短縮番号から彼女にダイヤルする。
 カウル。カウル、カウル。
 彼女の声が聞こえるのを待つ時間がとても長い。
「もしもし、イジョン先輩?」
「うん…俺」
 短く答えながらシートに身を沈めると、ようやく息が出来た心地がした。
「…今なにしてた?」
「お遊戯発表会の進行表を作ってました。今日残業になりそうです。イジョン先輩は?」
「うん」
「うん、てなんですか?答えになってませんよ」
 電話の向こうで彼女が笑った。おそらく三日月のように目を細めて。その息の温度までを感じたような気がした。
「あ、先輩、明日ライオン回収に行ってもいいですか?昼間工房にいますか?」
「…あれ持ってくのか?」
 窓際に並んだ彼らを思い浮かべて、少し惜しい気持ちになった。彼女が作り続けたあれは、今は棚いっぱい20匹が並んでいる。一斉になくなると工房は殺風景だ、きっと。
「もうすぐですから、リハーサルで子供たちにかぶせてあげないと」
「そうか」
「…先輩、なにかありましたか?」
 元気ありませんよ、と続けて言ってくれる声の優しさ。
「別になにもないよ?…今から俺がライオン持ってく」
「え?」
「その方が早いだろ。会いたいし」
 カウルが電話の向こうで黙る。
「ダメか?」
「そ、そんなはずないでしょ」
 慌てて普段の敬語が抜け落ちた彼女の返事が愛しい。
「じゃあ、ライオン持って行くから待ってて」
 「はい」という返事を聞いてから電話を切った。



 嘘つきだと思う。
 1ヶ月に1度のことだからと我慢してきた食事の席がだんだん苦しくなる。母の痩せた頬も、父の無関心な目も見たくなかった。さらにここ数ヶ月続く見合いの話。今はまだ進みこそしないものの、おそらく家としては本気なのだ。
 なにもない?嘘だ。
 カウルが知ったらなんと言うだろうか。どんな顔をするだろうか。もちろん見合いなどするつもりはない。でも結婚もするつもりはないのだと、彼女に言えるだろうか。
 ネクタイに指をかけ少し緩めると、そこから冷たい空気が入りこんだ。吐く息が車中なのに白い。ようやくエンジンをかけて暖房を強くした。生ぬるい風が額に当たる。低く重なる音にもっと考えろと促される。
 もう1つ嘘をついた。会いたいし、ではない。
 会いたいから、だ。
 彼女に会わないではいられないから、行く。
 そんなにまで切実だと自覚もしているのにまだ本当のことを言えないのは、彼女にすべてを懸けてしまうのが怖いからか。それともただカッコつけていたいからだろうか。
 その2つがイコールだと気がついて、イジョンは唇の端で笑った。もう息は白くない。代わりにフロントガラスが白く曇りはじめていた。
 ライオンたちを彼女に届けなくてはならない。そしてカウルの笑った顔を見よう。
















????????????????
また暗いって言われそうだなぁ…と思いながら楽しく書きました(笑)
イジョンは私の書きたい方向へ自然に向かってくれるキャラで、書きやすいです。


テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:ライオンの涙

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by: * * * 2009/12/28 * 23:43 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/12/29 * 20:28 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/12/29 * 23:51 [ 編集] | top↑
--こんばんわ☆--

あけましておめでとうございます☆
うれしい~!!!
待ってました♪
今、BSでやってるのを見つつソウルのとこしか
おもしろくなーい。って(笑)
嬉しいお年玉ありがとうございます。
続き楽しみにしてます。
by: よったん * Eps/h.JU * URL * 2010/01/08 * 23:29 [ 編集] | top↑
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