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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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ライオンの涙(1)
2009 / 06 / 14 ( Sun )
 金色のたてがみが風になびくと、導かれるように家族達が彼の後に続いて歩く。
 背の高い草をわけて進む威厳のある姿は王と呼ばれるにふさわしい。

「先輩」
「…ん?」
 いつのまにかカウルの持ってきたDVDに夢中になっていた。呼ばれて振り向くと、なんとも可愛いライオンがいた。
「これどうですか?」
 そう言って彼女は額につけていた紙のお面を指でさし、目をぱちぱちさせた。
「ん??」
 イジョンが首を傾げると、不服そうに唇を尖らせる。
「可愛くないですか?うまく描けたのに」
「可愛いよ。可愛いけど、このDVDのどこを参考にしたらそうなる?」
 花びらのようなたてがみに、睫毛のあるつぶらな瞳。百獣の王の威厳は、まったくない。
「え?えと…色あいとか?」
 その答えにイジョンは笑った。黄色と茶色以外のクレヨンは、きちんと箱に収まったままで色合いとか言うからだ。
「そんなにバカにするなら、先輩が描いてくださいよ!」
 顔を赤くして、カウルが言う。
 いいよ?とイジョンはカウルの前にある画用紙に手を伸ばした。


 彼女はいつも幼稚園での仕事が終わると、「お仕事終了です」というメールを送ってくる。イジョンはそれに、いつも「おいで」と返す。だから特別な用事がない限りカウルはこの工房にやって来る。
 カウルがイジョンの作業を見て過ごしたり、今日のようにカウルが園児のために何か作っていたりもする。
 特別なことはない。でもいつも楽しかった。


「出来た」
 クレヨンを置いて言うとカウルがテーブルに身を乗り出して、イジョンの手元の画用紙を覗きこんだ。
「我ながら上手い」
 自画自賛しながら「だろ?」と彼女を見ると苦い顔をしている。
「…」
「認めたくないんだろ?俺の方がうまいって」
「えー?上手ですけどー」
「けど、なんだよ」
「これ怖いですよ。お面にして子供がつけて、お遊戯するんですよ?リアルすぎですよ。この牙とか」
 言いながらカウルはライオンの絵を自分の方へ引き寄せた。そしてもう1度正面から見直して笑ったので、イジョンはムカっときて言った。
「誰に聞いても俺の方が上手いって言うに決まってる」
「技術的には、ね。でもこれは私が預かります」
「なんで。お面にすればいいだろ。園児達でカッコいいライオンの争奪戦になるぞ」
「…先輩、不満でしょーがここは折れなきゃ。大人なんだから」
 保母さんの口調で言われて、イジョンは言葉に詰まった。そんな彼を見て調子に乗ったカウルが「いい子ですねー」と言った。


 その日からしばらくカウルのライオンのお面制作は続いた。来月、お遊戯の発表会があるそうで、毎日1枚ずつ描けば間に合うと言い、仕事が済んで工房に来ては一生懸命描いていた。結局イジョンのリアルお面は却下されて、つぶらな瞳のお花ライオンが毎日1枚ずつ増えていった。
 おかしいのはそのお面を工房に置いていくことだ。
 窓際の棚に1匹ずつライオンが増えていく様子が奇妙で、イジョンは昼間作業の合間に並んでいる彼らを見るたびに笑った。
 今日もそうだった。粘土を踏んでいる間ずっと、9匹のライオンに見られているようで可笑しかったし、ろくろを止めてふと視線をあげると必ずどれか1匹と目が合った。1人で笑って、そしてそのたびにカウルを思い出した。
 クレヨンを持つ指の形や、傾けた頬の白さと、画用紙の上にサラサラと髪が落ちる速度までを思い出して息をつくと、幸せが怖いと多分人生で初めて思った。

 そんなふうにして静かな午後が過ぎ日が落ちかけた頃、工房に珍しくウビンがやって来た。
 時間がある程度自由になるイジョンと違い、彼の毎日は多分ジュンピョと同じくらいに多忙だ。
「ウビン。どうしたんだよ!珍しい」
「近くの現場視察の帰りだよ」
 ウビンは言いながら、工房の中をぐるりと見回した。
「ここは変わって…」
 ない、続けようとしたのだろう。しかし彼は窓際に整列する百獣の王に目を止めて、クックッと笑い始めた。
いつも自分がするのと同じだと思い、イジョンも笑った。ひとしきり笑った後でウビンが言った。
「ジュンピョを変えたジャンディはすごいと思ってたけど、カウルちゃんもなかなかやるもんだ」
「…否定はしないでおく」
 その答えが予想と違ったのかやや肩を落としたウビンが、いいなぁとつぶやいてイジョンをまた笑わせた。

「そういえばさ」
 イジョンがいれたお茶を一口飲んで、ウビンが言った。
「ジュンピョのやつ、式の日程が決まったってな」
「ああ。一昨日だったか連絡してきたよ。お前のトコにも電話したのか、あいつ。ものすごく浮かれててウザかっただろ?」
 そのとおり、とウビンはイジョンを指差した。
「結婚なんてとっくに決まってたのにさ、日取りが決まったら実感が湧いただの、ジャンディに俺様の隣が似合うドレスを選ぶのが大変だの。あーだこーだ。1人でしゃべっといて、最後になんて言ったと思う?」
 イジョンはすぐに思い当たって、小さく笑った。
「『羨ましいか?』だろ」
「お前にも言ったのか、あいつ」
 イジョンは自分の湯のみを持ち上げながら、頷いた。しかし実は、ジュンピョがイジョンに言ったのはそれだけではなかった。散々浮かれたのろけ話をして満足したジュンピョが電話を切る前に言った言葉。
「『羨ましいか?お前も早くカウルと結婚しろ』」
「は?」
 突然言ったので、ウビンが目を丸くした。
「ジュンピョにそう言われた」
「あいつ…おせっかいで野暮なとこがジャンディに似てきてないか?」
 そうだな、と返事をしながらイジョンはライオンの群れを見た。たてがみのシルエットが、子供の描く雲の絵のような形で床に落ちている。
 ウビンはなぜか恐る恐る、という感じで尋ねた。
「もしかしてお前らももう、そんな話出てるとか?」
「いや、ないよ。ないけど」
「けど?」
 1番右端の、1番優しい顔をしている(と思う)ライオンを見ながらイジョンは言った。

「俺、結婚の意味がよく分からないんだ」














~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私はどうやらウビンが書きたいらしい(笑)ジフ先輩も出したいんだけど…どうかな。




テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:ライオンの涙

00 : 03 : 51 | トラックバック(0) | コメント(14) | page top↑
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コメント
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by: * * * 2009/06/14 * 21:59 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/06/15 * 20:18 [ 編集] | top↑
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↑の鍵コメ(c~)さんへ。

はじめまして。こんばんわ。二人らしい、というお言葉、とっても嬉しいです。ありがとうございます。 ジフ先輩、ぜひ書きたいなとは思うんですが、ソウルCPの話に彼が出ると話が脇道にそれる気がして、なかなか登場させることができません><
ジフを書くならジフが主役とかじゃないと(私には)難しいかもと思ったりしていま

すが、そこまでの余裕もなく…いつか、いつか書けたらな、と思っています。
いつも重い更新ペースでごめんなさい。よろしければ、また遊びにいらしてくださいね。


鍵コメ(ri~)さんへ。

こんばんわ。いつも読んでいただいてありがとうございます。まとめてのお返事で失礼します。

しばらく更新はソウルCPのみですよ^^
更新ペースは頑張りますが、多分これからも遅いと思います。ごめんなさい。
その分、というわけではないのですが、イジョンとカウルを丁寧に書いていくつもりでいます。気長にお待ち頂けたらありがたいです。
ではまた^^
by: キリン * YInHV9pY * URL * 2009/06/15 * 21:12 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/07/13 * 18:30 [ 編集] | top↑
--Re: はじめまして--

↑の鍵コメさんへ(ak●●●●さん)へ

はじめましてなのに、お返事遅くてごめんなさい。私もソウルCPに続きがあったらいいのに、と思って書き始めました(笑)
つたない文章を読んでいただいて本当にうれしいです。
またお待ちしています^^
by: キリン * YInHV9pY * URL * 2009/07/26 * 17:38 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/09/12 * 00:33 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/09/15 * 14:53 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/09/17 * 13:19 [ 編集] | top↑
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鍵コメ(m●●●)さんへ。

感想ありがとうございます。そして返事遅くてごめんなさい~><
重なって投稿してしまった云々は気にしないでくださいね。むしろ嬉しかったです^^

カウルイジョンCPの構想(妄想)はずっと先まであるんですが、いかんせん時間がなく…書く気持ちもおおいにあるので、すいませんが気長にお待ちいただけたらと思います。
それにしてもソウルCPはなぜにこんなに妄想しちゃうんでしょーねぇ。ドラマ中のキャラでここまで妄想をかきたてるCPに、私は出会ったことがありません(笑)


by: キリン * YInHV9pY * URL * 2009/09/21 * 17:45 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/09/25 * 13:16 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/09/26 * 14:08 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/10/11 * 16:17 [ 編集] | top↑
--目に浮かびます--

カミングアウトを読んで、こちらを知りました。
花男で一番お気に入りの二人のその後を書いて下さってとても嬉しいです。カウルの芯の強さがイジョンの繊細さを支えてくれて、きっと幸せになって欲しいです。
続きを心待ちにしています。
by: norimaki * XGkrYQCI * URL * 2009/10/27 * 18:19 [ 編集] | top↑
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by: * * * 2009/11/11 * 23:59 [ 編集] | top↑
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