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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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The Man I Love(5)
2009 / 05 / 26 ( Tue )
 急いで着替えたけれど、走ったけれど多分2、3分の遅刻だった。

 路地から広い通りに息を切らして出たとき、すでにとまっているイジョンの車が見えて、カウルは喉元に手を当てて息を整えた。
 まだ乾ききらないアスファルトの地面が朝の光でキラキラと光っている。その向こうにロータスに寄りかかって待つイジョンの横顔があって、鼓動は大きくなった。目立つ車の前を通り過ぎるとき、道行く女性は皆あからさまにイジョンを見た。その視線を1つも受け取ることなく、微笑み返すこともなく彼はただ、立っていた。
 今日会ったらなんて言おうか今の今まで決められなかったのに、彼を見た瞬間に、謝ろう、謝るべきだと素直に思える自分がいた。
 
 イジョンがカウルに気がついて向き直った。
 向こう側からの朝の光が背の高い彼の輪郭を縁取って白くしていて、1度大きく瞬きをしてようやくイジョンの表情までを見ることができた。怒ってはいないようだった。ただ、黒い瞳に静かに見つめられるとそれだけで自分の間違いを指摘されている気がして、昨日の自分を後悔した。
 「イジョン先輩。あの」
 早く謝ってしまおうと口を開きかけたとき、イジョンがかすかに微笑んで車のドアを開けた。そして一言短く「乗って」と言った。



 どこに行くのかと問えないでいるうちに車は個展会場の地下パーキングへと滑り込んだ。
 イジョンはさっきから一言もしゃべらない。かと言って不機嫌なわけでもなく、今も自分はさっさと車を降りるとカウルの側のドアを開けてくれる。
 イジョンの後を追ってエレベーターに乗ると、沈黙が強調されてどうしても声を出さないといけないような気がして、カウルは「先輩」と彼の背中に言ってみた。
 イジョンは振り向いて、何?と目で訊いた。
 「あの。昨日は急に帰ったりして…」
 「謝らなくていい」
 「え?」
 「いいから。見せたいものがあるんだ。話はそれから」
 彼が言い終わると同時にエレベーターのドアが左右に開いた。
 採光の素晴らしい空間が目の前に広がり、イジョンは待ちかねたというように明るいロビーへと足を踏み出した。


 
 ピンクと言うよりは白い花をつけた枝が握手を求めるようなような角度でこちらへ伸びていた。
 くだらないだろ?とイジョンは言い、そのあと唇の端っこで笑った。
 でもカウルは笑えなかった。目の前にある花瓶に自分の名前がついている。
 「『器の迫力と花の優しい印象のミスマッチが絵画のようでいい』」
 「…」
 「そう言ってくれる陶芸家の先輩もいたよ」
 でもさ、と続けてイジョンはカウルを見た。
 「本当はそんなことどうでもいいんだって、評価を聞かされてはじめて気がついた。カウルちゃんこれ、なんだか分かる?」
 「私が桜って言ったから…」
 「それはそうだけど。そうじゃなくて」
 分からないかな、と言ったイジョンの横顔ははにかむ幼稚園児のように幼くて、その新鮮さにカウルは小さな感動を覚える。
 「俺の気持ちを、俺より先に伝えてる。早く分かってほしくて焦ってる。完璧に俺の個人事情だ」
 「え?」
 彼がなにを言おうとしているのか分からないほどの子供でもない。けれど言葉という言葉は浮かばずにそんな返事になった。
 
 「昨日の人は、昔つきあってた人だよ。でももうなにもない。昨日久しぶりに会って、実は仕事の依頼を受けたけどカウルちゃんが嫌ならやめる」
 思いがけない言葉に顔をあげると、イジョンの優しい瞳と目が合った。
 こんなこと誰かに言う日が来るなんて想像もしなかったとぼやくように言ってから、彼はポケットに入れていた手を出して、カウルの手をとった。
 「カウルちゃんだけ見てくれれば、それでよかったんだ。こんなところに飾らなくてもよかったのに」
 さらりと乾いた彼の指が自分の手の甲を包んでいて、そちらを意識するあまりに、彼の言うことの理解が遅れてしまう。
 「やっすいドラマみたいに俺、叫びたいのかもしれない。それで伝わるならそれもいいかもしれない。自分がくだらない普通の人間だってこと、認めたくなかったけど、君が…カウルちゃんが好きでいてくれるなら、くだらなくてもいいか」
 そう思う、と独り言のように言うくせにイジョンの指には力が込められた。
 「聞いてる?」
 「あ、はい」
 呆けた返事にイジョンは苦笑いをしてから、すいと真顔に戻った。

 桜の花びらが一片、また一片と落ちていくこと以外に、時間の流れを感じさせるものがない中で、イジョンはカウルを見つめ、カウルもイジョンを見ていた。

 「カウルちゃん」
 「はい」

 今度は優等生のような返事になったけれど、彼はもう笑わなかった。
 
 「好きだよ」





?完?












?????????????
お待たせしました。このお話はここで完結です。良かったら感想聞かせてくださいね。



テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:The Man I Love

15 : 20 : 45 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
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コメント
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はじめてコメント書きます!
韓国版花男を見てどうしてもソウルカップルのその後が気になっているときに 「The Man I Love」 を見つけました(o^_^o)
イジョン先輩がやっと自分の気持ちに気づいて嬉しいです!
ソウルカップル好き~
イジョン先輩、告白の仕方もかっこよすぎです(つд`)★

本当に書いてくださってありがとうございます!
これからも読みます!
頑張ってください!
by: ちい * - * URL * 2009/05/26 * 19:54 [ 編集] | top↑
--管理人のみ閲覧できます--

このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * * * 2009/05/26 * 20:08 [ 編集] | top↑
--Re: タイトルなし--

ちいさんへ。

こんにちは。お返事大変遅くなり、すいません。
ソウルCPのお話へご感想ありがとうございます。
私も、イジョン先輩はこんなこと言わないか?いや言うかも??…と想像するのがとても楽しいです。これからも(多分)スローな更新ではありますが、細々続けていこうと思っていますので、よかったらまた感想お聞かせください。励みになります。
では、また。
by: キリン * YInHV9pY * URL * 2009/06/15 * 21:04 [ 編集] | top↑
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