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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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HOME sweet HOME(3)
2009 / 04 / 23 ( Thu )
 後ろ5mだからね、と念を押す妃宮に苦い顔をしたSPが「はい」と答えた。
 チェギョンは満足そうに微笑んで「行こう!」とこちらに手招きをした。

 「散歩はいいがなんで上着を脱がなきゃいけないんだ?」
 妻に言われたとおりにスーツの上着を脱ぎながら訊いてみると「なんにでも釣り合いってものがあるでしょ?」との答え。シンは首を傾げつつ門扉を出るチェギョンに続いた。

 まず妃宮、そのあとに皇太弟殿下。さらにその5m後方にSPが3人。
 「もうあったかいね」
 チェギョンがそう言って振り向くと、彼女の左側を春の日差しが明るくした。シンは目を細める。
 「まぁ、上着なしでもいいくらいにはな」
 「まだそれにこだわってる」
 面倒だな、と呟いてチェギョンはシンの隣に並んだ。どうやら説明してくれるらしい。
 「ほら、これで分かりやすいでしょ。私は超カジュアル。シン君は三つ揃え、じゃ格好つかないじゃない」
 「そういうもんか?」
 正直どうでもいいと思ったが、そう言えば機嫌を損ねることは目に見えていた。
 「そういうもんよ。ねぇ、もうちょっと先に公園があるんだけど、そこ行こうよ」
 チェギョンの実家は高台にあって、今彼女が「もうちょっと先」と指差すのは下の市街地に近い方角だった。
 「あまり人が多いところは」とシンが言いかけると、チェギョンは「大丈夫。SPさんたちがいるもん」と言って、後方5メートルをついて来るSPたちに手を振った。まったくもって勝手な妃宮である。シンは彼らに少しだけ同情した。


 宮の公用車が一台通るのがやっとのこの辺の道は、両側に民家の塀が立ち並んでいる。散歩中の老人や買い物帰りで野菜の入った袋を持った主婦、学生とも何度もすれ違った。こんなところを無防備に皇太弟夫妻が歩いているとは思わないようで、皆が振り返るのは黒いスーツ姿のSPを見た後だった。
 「ね、平気でしょ?これもカジュアル効果よ」
 チェギョンがなぜか自慢げに言うので、シンは笑った。
 確かにいい天気だ。シャツの袖に当たる春の日差しとは少し温度差のある風が時折頬を掠めて降りていくのも気持ちが良かった。
 
 「いつもこの道を自転車で下ってたんだよね」
 ふと懐かしい目をして、チェギョンが言った。 
 「この微妙な長ーい下り坂をブレーキ踏まずに行くのがすっごく気持ちよくて」
 「制服+ジャージでな」
 チェギョンの妙な制服姿を思い出してシンは笑った。つい最近のことのようでもあり、ずいぶん昔のことのような気もした。
 「あ、今私のファッションセンスを馬鹿にしたでしょ?」
 ワンピースのポケットに両手を入れたチェギョンが振り向いた。続けて文句を言うのかと思いきや、ふいにシンを見て首を傾げて黙った。
 「…」
 「なんだよ」
 「シン君、新鮮!」
 「は?」
 俺は野菜か魚か。心の中だけで呟いた。
 「この近所の風景とシン君のミスマッチ具合が新鮮」
 そんなものが本人に分かるはずもなく、シンは薄く笑う。でもチェギョンにここの風景が似合うのは感じていた。
 「宮はどこもかしこも手入れが行き届いてるじゃない?それもいいけど、こういうちょっとごちゃごちゃした感じもよくない?」
 シンは道の端のアスファルトを押し上げて咲く草花を見た。
 「そうかもな」
 「このへんも宮も、両方好きだな」
 独り言のように言ってチェギョンは空を見上げた。
 「ね、東宮の工事は順調?」
 突然の話題にシンは少しだけとまどった。その話を出す意図が分からなかったからだ。
 「あぁ、予定通りに進んでるそうだ」
 「そっか」
 彼女の短い返事に特別な感情は読み取れない。ふいに沈黙が訪れた。2人の足音が重なったかと思えば、また別れ、別れたと思えば、また重なった。
 
 「私ってさ」とチェギョンが口を開いたのは、2人の横を小型車が通り過ぎ、足音を掻き消したときだった。

 「私ってもしかしてすごく幸せ者かな」
 「は?」
 チェギョンは何か重大な発見をした科学者みたいに目を丸くして、真剣な表情。
 「ううん。もしかしなくても幸せ者だね」と1人頷くのだから笑ってしまう。完全に自己完結だ。
 「1人で納得するなよ」
 「え?」
 「なにがそんなに幸せなんだよ。当然俺もその幸せの理由に入ってるんだろうな」
 冗談半分で言ってみる。しかしまさか違うとは言わないだろうとも思っていた。
 「ん??」
 チェギョンが頭を捻る。
 「なんだよ」
 不服を込めて言ってみるが、チェギョンは一生懸命考えている。
 「なんか難しいの。ちょっと待ってよ、考えるから」
 自分から言い出しておいてなんだよ、と少し拗ねた気持ちになってシンは少しだけ歩く速度を上げた。チェギョンが後を着いてくるが、そもそもこの辺りの道を知ってるのは彼女だけだ。 
 「おい」
 だんだん苛立ってきて尖った声になった。
 「どっちに行けばいいんだ」
 直進と左折の分岐に立ってシンはチェギョンを見た。まだ悩み中の彼女の足どりは鈍い。後方5mのはずのSPたちもだんだん近くなっている。
 「おい」ともう1度言ったときに、チェギョンが「分かった!」と目を輝かせた。そしてタタッと弾むようにやって来てシンに並ぶ。
 その目が日差しよりもキラキラしていて、シンはたちまち苛立ちを忘れてしまう。
 「なにが分かったんだよ」
 甘やかしたい気持ちが透けているのを感じながら尋ねる。
 「えっとね」
 チェギョンはやや改まって言う。
 こういうときに照れずに相手の目を見れるのは才能だろう。受ける側への配慮を知らない眼差しだ。
 
 「シン君が全部作ってくれてるみたい」
 「俺が?」
 「うん。私の幸せ」

 シン君が製造工場みたい。
 そう続けたチェギョンがあまりにキレイに微笑むので、シンは返事を忘れた。


















~~~~~~~~~~~~~~~~
あと1話。
事件の起きないお話はなかなか難しいっす…Orz



テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:HOME sweet HOME

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by: * * * 2009/04/25 * 18:52 [ 編集] | top↑
--管理人のみ閲覧できます--

このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * * * 2009/04/30 * 13:15 [ 編集] | top↑
--Re: タイトルなし--

<上の鍵コメさんへ>

うわ~!><
はじめましてなのに、お返事がこんなに遅くなってしまって、申し訳ないです。
しかもご心配までいただいてありがとうございます。

たしかに今回の報道はショックでした。
が!私は大丈夫です。
心を痛めている皆さんには申し訳ないのですが…私は『宮』が好きなのです。
俳優としての彼のファンだったか?と言われると…他にも好きな俳優さんが沢山いる浮気者なのです。
なので、ごぶさたなのは不精80%ショック20%というか…なんか書いてて情けないですが(笑)
創作はしばらくソウルカップルの方になると思います。
大丈夫だと言ってもシンの仕草を書くときはどうしても彼を想定しますので。
それにしても、私は彼も心配ですが事務所の社長とかも心配になってしまいます。

こういうのはちゃんと記事に書くべきですよね。
今から書いてきます。きっかけまでいただいてありがとうございます。
ではまた、お待ちしております^^
by: キリン * - * URL * 2009/04/30 * 22:33 [ 編集] | top↑
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