FC2ブログ


全件表示TopRSSAdmin
information
    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- )
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


-- : -- : -- | | page top↑
The Man I Love(3)
2009 / 04 / 17 ( Fri )
 会場内を足早に行き来するイジョンを招待客が何事かと見る。けれど今そんなことは気にならなかった。逃げ出すように行ってしまったカウルの傷ついた瞳の色ばかりが思い出されて、イジョンは目を閉じて額に手を当てた。

 「イジョン、私、なんかタイミング悪かったみたいね」
 いつの間にか後ろに立っていたヨニが言った。気軽にイジョンの肩に手を置いて「ごめん」と続ける。
 ヨニは悪くない。分かっているのに彼女に「気にするな」と言ってやる余裕もなかった。
 「あの子、カウルって言うんだね。ずいぶん好み変わったみたいだけど、大丈夫なの?」
 「なにが」
 自分でも知らず苛立った声になった。
 ヨニはそれもたいして気にするふうでもなく言う。
 「一途そうな子だったから、ちゃんとフォローしとかないと後が大変よ」
 当然のように言う彼女の顔に過去の自分を見てイジョンは軽い嫌悪を抱いた。ヨニにではなく過去の自分の不自然さに。
 誰かを愛さないように努力するなんて、おかしな話だ。
 ヨニはなにも話そうとしないイジョンに見切りをつけて「仕事の相談は乗ってよね」と言い残し、帰っていった。

 何度も何度も電話をしてみる。けれど留守電ばかりでイジョンは周囲をはばかることなくため息をついた。
 誤解はどうしていつもこんなに簡単に訪れるのだろう。
 携帯電話を片手に、広い展示室の真ん中で立ち尽くす個展の主は、招待客の目には奇妙に映ったのだろう。皆が見て、しかし普通でない彼の様子に声はかけられずに通り過ぎて行く。

 もう1度カウルを探しに行こうとしたときに、「イジョン!」と明るい声で呼ばれた。

 「ウビン」
 仕事帰りなのか、きちんとスーツを着込んだウビンが軽く手をあげた。
 「遅くなってごめんな。もうジュンピョたちは来たのか?」
 「…ああ、さっきジャンディと一緒に」
 「どうした」
 ウビンはイジョンの顔色を見て怪訝な顔をする。
 「さっきヨニが来てさ」
 「ああ!やっぱりさっきのイ・ヨニだったのか。エントランスで見かけたよ。…ん?でイ・ヨニが?」
 「カウルちゃんが」
 イジョンが全部を言う前に、ウビンは大体の想像がついたらしい。
 「あー…それはまずかったかもな。お前は?」
 「なにが」
 「お前は大丈夫なのか?眉間にしわ、入りまくってる。顔怖いぞ」
 言われて初めて全身に力が入っていたことに気がついた。肩甲骨を寄せるように腕を動かすと、少しだけ落ち着いた。
 「カウルちゃんなら平気さ。あの子見た目よりも強いし、ちゃんと自分で考えられる子だろ」
 「…思い込みも激しいけどな」
 「お前が説明すれば、聞いてくれるさ」
 肩にポンと置かれた手が大丈夫だと言ってくれてるような気がして、イジョンはやっと微笑むことができた。

 
 会場を離れるわけには行かず、イジョンは自分を落ち着かせながらウビンを案内して会場を歩いた。
ウビンはそんなイジョンを気遣い言葉少なに作品を見てまわっていたが、桜の花器の前に立つと言った。

 「これは完全に公私混同だろ」
 そう言ってこちら見た彼は少し面白がっているようにも見える。
 「いいだろ、別に」
 「桜の花瓶が『カウル』か…イジョン、いい傾向だぞ」
 今度はやけにしたり顔で頷きながら言われて、イジョンはムッとした。
 「なにがだよ」
 「よかったな」
 「だからなにが」
 不機嫌そうに言う親友に、ウビンは微笑んで答える。
 「カウルちゃんに会えて」



 最後の招待客を見送ったイジョンは、後をスタッフにまかせると地下駐車場に急いだ。その間にもカウルに連絡を試みたがやはり留守電のアナウンスが繰り返されるだけだった。
 工房に車を走らせながら、さっきのウビンの言葉を思い出す。

 会えてよかった。
 出会えてよかった。どうして人に言われて、気がつくのだろう。分かっていたのに。
 カウルがヨニとのことを誤解したとして、それがなんだというのだ。
 関係ない。

 心優しいカウルがいつものように工房の前で待っていてくれることを願って、イジョンはアクセルを踏みこんだ。
















テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:The Man I Love

22 : 55 : 37 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<The Man I Love(4) | ホーム | The Man I Love(2)>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://kirinnnn.blog8.fc2.com/tb.php/26-14454aca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。