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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
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    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
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    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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The Man I Love(2)
2009 / 04 / 15 ( Wed )
 個展の開催を明日に控えた日。マスコミや関係者を招いてのレセプションが催され、朝早くから展示チェック、取材への対応、招待客への挨拶などに追われたイジョンがやっとひと息ついたのは夜になってからだった。
 本当に招待したい人やイジョンの友人達が訪れるのはこれからの時間だ。彼らを迎えるためにと、順路どおりに展示の最終チェックをした。
 いつもそうだが、ガラスケースの中や照明を当てられている作品が本当に自分の物なのかどうか、奇妙な感覚に襲われる。器だけがソ・イジョンという名札をつけて一人歩きしていくような、そんな感じだ。少し寂しく少し誇らしく。少しだけ虚しい。
 でもそれでよかった。多分一生それでいい。


 今回の個展のメインともいえる大鉢の前に、見覚えのある天然パーマの頭の男と、彼とはずい分身長差のあるおさげの女の子が立っていた。なにやら小声で言いあって、時折肘でお互いを小突きあっている。
 イジョンは2人に近づいて声をかけた。
 「ジュンピョ」
 ジュンピョは振り向いて、笑顔になった。
 「お、イジョン。来てやったぞ」
 横柄な挨拶に隣にいたジャンディが「そんな挨拶ないでしょ」と顔をしかめてから、やや改まってイジョンに頭を下げた。
 「イジョン先輩、個展おめでとうございます。ご招待もありがとうございます」
 「クム・ジャンディ、久しぶり。来てくれてありがとう。どう?なんか気に入ったあったら買ってよ」
 その言葉にジャンディは首を傾げた。
 「え?これって買えるものなんですか?」
 「一部非売品以外は」とイジョンが答えると、ジュンピョが続けて「一部庶民以外はな」と言った。
 相変わらずジャンディをからかうことに至上の楽しみを得ている友人の姿が微笑ましくて、イジョンはまた笑った。
 
 「ところで何、喧嘩してたんだ?」
 イジョンは2人を見送るためエントランスへ向かって歩きながら訊いた。ジャンディとジュンピョが顔を見合わせる。
 「さっきあの展示室でなんか言い合ってただろ?」
 「あ、ああ?…あれはその」
 ジャンディが申し訳なさそうな顔で言う。
 「あの大きな器には何をのせたらいいかなー…って」
 「だから言っただろ、何をのせるとかそういうんじゃなくて、あれ自体で芸術なんだって」
 小馬鹿にしたように鼻で笑ったジュンピョが、物凄い勢いで睨まれている。
 「別に、どう見ようと構わないさ。で?あの大鉢に何をのせたい?」
 「え、えと…マグロのお刺身?」
 「食いもんかよ!」
 ジュンピョの本気のつっこみに周囲が皆振り向いた。 
 「べ、べつにいいでしょ!?」
 「また腹減ったのか?…なんか食いに行くか?」
 ジュンピョは「しょーがない奴だ」と言いながらジャンディの前髪をグシャグシャと撫でた。そして彼女の手をとる。
 「イジョン、俺たち行くわ。またな」
 「ああ、結婚式の日取りは早めに教えてくれよ」
 ジュンピョはにやりと笑って親指を立ててみせ、ジャンディはなんとも形容できない奇妙な顔で笑った。


 2人を見送って再び会場に戻る。
 そして、今回1番思い入れのある花器の前に立った。釉薬の色が思い通りに出たら、こうやって展示しようと決めていた。
 器の黒い肌に無骨な枝が似合う。大きく首をもたげるように前方にせり出した枝に、花は盛りだ。人が通りすぎるときのわずかな空気の動きで、花びらが一枚ずつ落ちていくのもいい。
 
 「これ、毎日活け替えるの?」
 ふいに背後から声をかけられた。
 「ひさしぶり」と微笑む女性に、イジョンは驚いた。短い髪に大きな金色のシャンデリアのようなピアス。ちょっと冷たい印象の切れ長の瞳が笑うとなくなって、とたんに親しみが湧く。
 「ヨニ?」
 「イジョン、元気だった?いつ戻ったのよ。連絡もくれないで」
 「…そっちこそ、いつパリから戻ったんだ」
 「ん、先月かな」
 答えながら彼女は何度か視点を変えて桜を見る。
 ヨニは華道家だ。彼女の母親も有名な華道家だが、方向性の違いとかで5年ほど前に家を出て、単身パリに渡った。その気概というか、勢いが少しソヒョンに似ていた。
 「どうかな。新進の華道家としての意見を聞かせてくれよ」
 「誰が活けたの?どっかの華道家…じゃなさそうね。枝の処理も雑だし」
 イジョンは笑う。さすがに見る人が見れば分かってしまうものらしい。
 「俺」
 「え?」
 「俺が今朝活けた、というか水入れて挿しただけ」
 その答えにヨニは呆れた顔をした。
 「それじゃ2日ともたないわよ。私、手直ししていい?」
 イジョンは首を横に振った。
 「いいんだ。花が落ちたら器ごとさげるつもりだから」
 「あ、そう。なんか事情があるのね」
 ヨニはそう言うと、今度は器を眺めだす。
 こういうドライなところが好きだったとイジョンは当時を思い出した。束縛しない代わりに束縛を嫌う。私は誰のものもならないと普通に言う女だった。だからイジョンと気が合った、というよりお互い都合が良かったのだ。
 
 「ね、イジョン。これ」
 ヨニは花器の下の銘を書いた札を指差している。
 「なんで桜なのに『가을(カウル)』?」
 「…ただそんな感じってこと、かな」
 イジョンは言葉を濁した。
 「えー?嘘だ。意味ありげにこれだけ非売品だし。マスコミにも訊かれなかった?」
 当然何度も訊かれたが、イジョンは答えなかった。
 「まぁ意味はあるけど、知らなくてもいいだろ」と言うと、ヨニはまた「あ、そう」と、急に興味を失ったかのような返事をした。多分しつこく訊いたところでイジョンが答えるはずもないと思ったのだろう。そして昔もそうだったように、突然の話題転換。
 「イジョンはもうずっとこっちにいるの?」
 「ああ、そのつもりだよ」
 「今度、私も華道展やるんだけど器の相談に乗ってほしいんだ。実はそのつもりでお母さんの招待状拝借してきたの」
 「忍び込んだんだろ?」
 イジョンが言うと、ヨニは誤魔化すように笑ってから携帯電話を取り出した。
 「番号とアドレス教えて。今度ご飯でも食べながら話そうよ」
 少し躊躇したが仕事の話をするには必要なことだと、イジョンは自分の携帯をスーツのポケットから取り出した。それはすぐにヨニの手に渡り、彼女は慣れた手つきで自分のアドレスと番号を登録した。 携帯を返すと「じゃあ私、そろそろ行くね」と目的を果したヨニが言い、イジョンはまた客を見送るべく踵を返した。



 そこに、カウルがいた。
 イジョンと目が合うと、弾かれたようにエントランスの方へ走り出す。
 「カウルちゃん」
 彼が思わず口にした名前に、ヨニは目を丸くした。















~~~~~~~~~~~~
가을(カウル)=秋。
オリジナルキャラをまた書いてしまった…


テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:The Man I Love

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