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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
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    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
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    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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The Twelfth of Never(4)完結
2009 / 02 / 07 ( Sat )
 「いらん」
 シンの言葉に今度は私が「は?」と聞き返す番だった。
 そこで断られたら、本当に立つ瀬がなしの、恥ずかしいこと限りなしだ。
 「断る?普通」
 シンは無言のまま困った顔をした。そしてそのままスタスタと自室に行ってしまう。
 恥ずかしいやら、1人残されて身の置き場がないやらで、もう1度ソファに腰を下ろすと、さっきまで座っていたシンの温もりにあたって、妙な気分になった。
 腹を立てるべきなのか、安心すべきなのか。
 確かに勢いに任せたところはある。でも、勇気も出したのに敢えなくスルーされてしまった。頭は、このあとの行動を決めるのに必死だ。
 けれど傍からはぼんやりしているように見えたらしい。いつのまにやら目の前に立っていたチェ尚宮に「妃宮様、お疲れでしょう。お休みになるのでしたら、お部屋へ」と促された。
 「尚宮オンニ。私って魅力ない?」
 チェ尚宮は問いに首を傾げたが、すぐに思い当たったように「いいえ」と言い、微笑んだ。
 「殿下は妃宮様を大切に思っているのです」
 あんまり自信ありげに言うので、私は何も言うことができなかった。




 その夜なかなか寝付かれず、荷物を整理することにした。トランクの中身は日常使う細々としたものばかりで、すぐにベッドの上がいっぱいになった。
 スケッチブック。化粧品、ジャージ。色鉛筆。手鏡。
 元々この部屋に置いていたものなのだから、あった場所に戻せばいい。でも手につかない。拡げるだけ拡げておいてまったくやる気にならず、ただ散らかっただけの部屋を眺めた。
 ふと時計を見ると、11時46分。普段ならとっくに眠気に負けている時間なのに、ちっとも眠くならない。
 
 そっとベッドを降りて部屋履きに足を入れた。ドアを開けてむこうのドアから、灯りがもれているのを確認する。
 まだ起きてる。
 とりあえずノックだけしてみようかと、私はカーディガンを羽織って部屋を出た。

 なんで私微妙に忍び足なんだろ?別になんにもやましくないもん。
 私は胸を張って、薄暗いパティオを突っ切った。そしてシンの部屋のドアに手をかけた。
 
 「おい」
 予想外の方向から声がして、私は小さく息をのむ。
 「なにしてるんだ」
 シンがテラスのドアを閉めながら言う。月明かりが背の高い彼の輪郭をふちどっていた。
 「シン君こそ、外寒いのになにしてたの?」
 「風にあたっていただけだ」
 言いながらシンが私の前に立つと、彼のまとっている冷気が鼻先を撫でた。
 「眠れないのか?」
 「うん、だから荷物の整理しようと思ったんだけど、なんかそれも面倒になっちゃった」
 「…で?夜這いか?」
 「ななな、なに言ってんの!?」
 「冗談だよ」
 そう言って私の反応に満足げに笑ったシンの横顔に、また少し見惚れてから私は我に返る。
 「ね、シン君。あのさ…ここの改築なんだけど」
 「その話は別に急がないと言っただろ」
 「ううん。私が急ぐの。このままだとなんかシン君が誤解しそうだもん。そんなのイヤだし」
 「別に誤解なんて」
 していないと、シンが言い終わる前に私は言う。
 「してる。私、別に無理してるわけじゃないのに、シン君1人で大人ぶっちゃってさ」
 するとシンは心底心外だという顔をした。でも私は口を挟ませず続けた。
 「改築、すぐしてもいいよ。てゆーか、すぐして」
 自分でも変なこと言ってるなと思いながらも、妙に威張った口調になって引っ込みがつかなかった。
 「チェギョン、お前さ…」
 「シン君は、ただ『はい』って言えばいーの!」
 シンは一瞬きょとんとした。そして少し歯を見せて笑った。
 「…分かったよ」
 「『はい』、でしょ?」
 「はい」
 素直に言うから面食らって、「分かればいーのよ」とか可愛くない言葉でとりつくろうと、沈黙が訪れた。

 「じゃあ、もう寝るね。今度こそ、おやすみなさい」
 「ああ」
 シンが短く答えて私は彼に背を向けた。
 ふと腕をつかまれて振り向くと、シンの瞳がすぐそばにあった。私が反射的に後退りする前にシンの腕が背中にまわって、それを止める。
 「シンく…」
 名前を呼ぶ前に、シンの唇がそれも止めてしまう。
 判子を押されているみたいだと頭の端っこで思ったけれど、すぐにどうでもよくなって私は目を閉じた。




 ベッドの上に放り出してあった携帯電話を開くと、23時59分。
 私は散らかったままの洋服や化粧品をとりあえず脇に寄せてベッドに入り、灯りを消した。携帯電話を閉じると画面の光が失せて本当の闇になる。
 その闇の中そっと、まだシンの感触の残る自分の唇に指を当ててみた。
 なんだろう。今までにない気持ちが胸の奥に息づいてる。
 そう感じながら、私はようやく長い長い、宮への帰還1日目を終えようとしていた。

 そう遠くないいつか。私たちが同じ夜をむかえる日を思うと胸が震える。不安と同じだけ喜びを感じた。
 今はまだ、別の部屋で眠る。











?完?



テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:The Twelfth of Never

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