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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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夕方の雨(8)
2008 / 12 / 12 ( Fri )
 「殿下、今朝のお目覚めはいかがですか」
 コン内官の毎朝決まったその問いに、シンが「良好だ」と答えたのはこれまで多分数回、あるかないか。だから大抵のことには驚かないこの老練な内官も、この日はずいぶんと驚いた。
 「気分はいい」
 言いながらも落ち着かない様子のシンはしきりに時計を見て、長年彼に仕える内官はその光景の微笑ましさに、こちらもまたしきりに、笑みを浮かべた。

 「今日のご予定ですが」
 「ああ、どうぞ」
 内官の温かい視線が気になったシンは、体裁を取り繕うようにカフスボタンを止めなおしながら答えた。小さく咳払いなんかもしてみるが、なんら効果はなかったようだ。
 「殿下、ボタンを掛け違えておられるようですが…」
 言われ腕を上げてみると、確かにボタンが2つ並ぶ袖口が妙に膨らんでいた。
 「お気持ちは分かりますが、ご公務は予定通りに入っておりますので」
 「分かったよ。浮かれるなと言いたいんだろ?」
 シンはじろりと内官を睨む。
 「滅相もございません。わたくしは殿下が今日の日をどれほど待ちわびていたか知っておりますので」
 「…もういいよ。分かった」
 なんだか良い様に遊ばれている気分になる。シンは皇太弟の体面をあきらめて、笑った。


 季節が着実に秋から冬へと移り変わろうと、日に日に気温を下げる11月の終わり。
 シンに会うたびに「寒くなったから、風邪をひかないように」と言う太皇太后も、「イメージ管理も大事な仕事よ」と弟に小言を言う陛下も、いつも彼との会話の最後には「もうすぐね」と言った。
 妃宮が戻る日を皆、待ちわびていた。

 「殿下。聞いておられますか?」
 「…」
 「殿下」
 「ん。ああ、聞いてるよ。この後すぐに文化財庁官と会うんだろ」
 「それは、11時からのご予定です。この後9時半からはソウル大学長様が陛下に謁見に参られますので、ご同席を」
 「うん」
 「11時から文化財庁官ご同行で国立博物館へ。国宝認定の件ですので、移動中のお車で資料にお目通しください。そちらがお済みになりしだい宮へ戻っていただき、太皇太后様とご昼食になります」
 
 それから、と内官は意味ありげに言葉を切った。
 「おそらく、飛行機に遅れがなければですが、2時過ぎに妃宮様が仁川空港にお着きになります。4時には宮に戻られるでしょう」
 「ああ」
シンは返事をしたが心はまた旅立って、コン内官はまた、そんな皇太弟を微笑ましく思った。


 妻に恋をするただの男だと、そうシンが生放送で言った後の反響は想像以上だった。
 テレビ局の特番用掲示板は一時サーバがダウンし、電話回線もパンク寸前だったそうだ。
 さらに翌日からは、数ある皇太弟シンの非公式ファンクラブがネット上で妃宮帰国要請の署名を募りはじめ、皇太弟妃チェギョンのファンクラブは街頭でまで署名運動を始めた。
 それからは、その様子が日々ニュースのヘッドラインになり、ついに国会の議題に上がるまでは1ヶ月もかからなかった。
 そこからさらに、元老院の承認を得るのに半月と少し。
 シンにはもどかしくて仕方のない時間だったが、へミョンに言わせれば「奇跡」だそうだ。


 気を抜くとどこかに行ってしまいそうになる心を必死で捕まえながら、シンは公務をこなした。普段よりも時間が経つのが遅いと言うと、「時計の見すぎだからですよ」と食後のお茶を飲む太皇太后に笑われて、それでもやっぱりシンは繰り返し時計を見た。

 3時半を過ぎると、皆が妃宮を迎えるために陛下の居間に集まり始めた。宮に着けばチェギョンはまず、陛下に挨拶をしなければならないからだ。
 シンの両親も、もちろん太皇太后もおいでになった。
 妃宮付きだった女官はもちろん、時間のある宮の者は廊下へ並び、皇太弟妃を迎える道を作った。
 シンは、というと。恐れ多くも陛下の前をうろうろうろうろ。へミョンはそんな弟を「動物園のゴリラだ」とからかった。

 そして4時15分。
 門前に妃宮の車が着いたと報告が入り、一同は顔を見合わせる。いよいよの再会に浮き立つ内官女官がざわめいた。

 4時25分。妃宮はまだ現れない。
 さすがに遅いだろうとコン内官が、警備室に確認の連絡を入れるのをシンは横目で見た。

 4時28分。
 急に雨の音がして、陛下が「夕立ですね」と皇太后に言った。
 皇太后は少しだけ不安そうに「妃宮はまだか」と内官に尋ねた。

 4時29分。
 シンは我慢できずに、妃宮を捜しに部屋を出た。















~~~~~~~~~~
迫る再会。もどかしい文章でホントーにごめん。



テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:夕方の雨

00 : 14 : 26 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
--あぁ~そんな~--

私も思わず時計を見てしまいました。嘘です。
でも待ちに待ったチェギョンがやっと帰ってきたのですもの。皆さん今か今かと首が長くなりすぎてしまうのでは。
殿下、探しに行ってしまうのも無理はないですね。
チェギョンなぜ隠れているのですか?

前回7話の 「妻に恋するただの男、イ・シンです。」には
やられました。
女性なら一度でいいから言われてみたいですものね。
これからの二人が楽しみです!
by: fu-tan * - * URL * 2008/12/12 * 09:28 [ 編集] | top↑
--fu-tanさんへ--

いらっしゃいませ。こんばんわ★
7話の例のシンのセリフですが、このセリフが書きたくて「夕方の雨」を書いたと言っても過言ではありません。
いつもお話を書くとき、登場人物に言わせたいセリフが先に浮かぶので、それを目指して頑張る…というのが私のスタイルです。
今後は幸せ100%な2人も、甘いセリフなんかも書きたいと思っていますので、また是非、お待ちしています^^
by: キリン * YInHV9pY * URL * 2008/12/14 * 23:27 [ 編集] | top↑
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