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    ※韓国ドラマレビューブログ『若葉マークの韓国ドラマ日記』の別館になりました。それにともない「キリン」改め「マカ」でHNを統一いたします。
    ※お初の方は、まずカテゴリの『お断り&注意』をご一読ください

    ■1/7…
    대미CP更新しました。遅くなってゴメンなさい&今年もよろしくお願いします。

    ■この下に「創作BGM」として好きなK-POPを紹介しています。
    他サイトに飛びます。音量注意
    Sorry, Sorry Answer BY Super Junior
    ----------
    元の曲よりこっちが好き。今年は彼らの全員の名前を覚えることができるでしょうか:D


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夕方の雨(7)
2008 / 12 / 10 ( Wed )
 ガンヒョンが皇室特番の観覧チケットを手にしたのは、本当にただの運だった。
 皇室には興味のない彼女だったが、なかなか帰国できない親友チェギョンは心配で、ダメモトで応募してみた結果の当選だった。

 皇太弟シンがグレイのスーツ姿でステージに現れたとき、ガンヒョンは初めてシンを素敵だと思った。少し緊張しているのか時折前髪に指先をやる仕草も、司会者の質問を聞くときにひそめられる眉も不敬だと言われそうだが、なんだか色っぽい。
まさかこんなところで妻の口うるさい親友がそんなことを思っているなんて、シンは思いもしないだろう。

 「殿下、それでは貴方は妃宮を宮へ呼び戻すべきだと、そう仰るのですね?」
 司会者のその質問に、皇太弟シンが「はい」と迷いのない瞳で答えた時、ガンヒョンの胸は熱くなった。それから悔しくなった。チェギョンに今すぐこの彼を見せてあげたい。そう思ったのだ。
 「確かに妃宮様への措置は厳しすぎると言う声も上がっておりますが…」
 皇太弟の答えが想定外だったのだろう、少し戸惑った顔を見せた司会者が「このへんで皆さんのご質問を」とさらに言い掛けたとき、シンがまた口を開く。
 
 「質問を受ける前に、少しだけ僕に時間をいただけるでしょうか」
 ガンヒョンは思わず膝の上で拳を作った。そして心の中で皇太弟を応援する。
 いけ!頑張れ。


 「僕は、自分が皇族に生まれたことを恨んでいました。なぜ窮屈な宮で、束縛され制限され、暮らさなければならないのだろうと」

 ガンヒョンの周囲から小さなどよめきが起きた。
 
 「いつも外の世界に、皆さんが暮らす場所に憧れていました。宮を背景にしない生活を望んでいました。だから父上や母上に反抗し、自ら孤独になりました」

 アナウンサーはもう口を挟むことを諦め、ただ皇太弟の告白に耳を澄ましている。観覧席は水を打ったように静まり返った。

 「今思えば、馬鹿でした。皇太子だから孤独だというわけではなかった。ただ寂しいと言えばよかったのに、それを誰かに悟られることさえ僕は、恐れていました。傷つく前に覚悟をすることが習慣になって…いつからか、心に固く高い砦を築くようになりました。自分でももうどうしていいか分からなかった。そんな時、僕の前にシン・チェギョンが突然現れました」

 シンはそこで少し笑みを浮かべた。そこに隙を見てアナウンサーが口を挟む。

 「では妃宮様が、殿下の砦を壊してくれた…とそういうことでしょうか」
 「その言い方は少し違います。彼女には最初から、僕の砦など見えていなかったようでした。ただ全速力で突っ込んできました」

 シンのその表現にガンヒョンは小さく笑った。チェギョンが猪突猛進、皇太子に体当たりする姿が目に浮かんだ。

 「僕は彼女に救われ、こうして皆さんの前で話しができます。しかし彼女はここにいない。僕はそのことが」

 苦しいんです。
 そう続いたシンの言葉を、ガンヒョンは空耳かと思った。それくらいに皇太弟にはふさわしくない言葉に思えた。

 「妃宮を呼び戻して彼女の名誉を回復したいのはもちろんです。ですがそれよりも僕が、苦しくてたまらない。ただ僕が、彼女に会いたくて」

 ますます皇族が口にする言葉ではなくなってきて、ガンヒョンは心配になる。けれど周囲を見れば、皆まるで自分のことのように感情移入しているようだ。隣席の中年女性などハンカチを目に当てている。

 「こんなふうに自分の気持ちを話す皇族を不愉快に思われる方も当然いらっしゃると思います。しかし今話している僕は…愛する人を守りたいと願うただの男です」

 シンは静かな瞳で、まっすぐ前を見た。

 「妻に恋をしている、ただのイ・シンです」












テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ - カテゴリー:夕方の雨

22 : 16 : 31 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
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きりんさん こんばんは。
更新お待ちしていました。
シン君が自分の 本当の気持ちを イ・シンとしての気持ちを皆の前で言えたこと すごく素敵でした。
私もその場にいてみたいと思ってしまうほどでした。

次回のお話 楽しみにしています。
by: かぐら * - * URL * 2008/12/10 * 22:40 [ 編集] | top↑
--かぐらさんへ--

<かぐらさんへ>

こんばんわ♪お返事遅くなり、すみません><
この回のシンはちょっとカッコ良すぎるかな~と思いつつ書きました。今後もっともっと、気障なセリフを言わせる予定ですので(笑)、シン君には頑張ってもらわないと。
by: キリン * YInHV9pY * URL * 2008/12/14 * 23:20 [ 編集] | top↑
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